最近、にわかにトレンドになりつつある『Web3.0』という言葉。
今年中には、一度は聞いたことがあるというくらい浸透するのではないでしょうか。
『Web3.0』があるということは、『Web1.0』や『Web2.0』の世界があるのか。
それは、どのような概念なのか。
今回は、初心者の方でも簡単にイメージしやすいように解説していきます。
スポンサーリンクそもそも『Web1.0』や『Web2.0』とは
先ずは、以下の通り簡単に要約します。
・Web1.0 ⇒ 情報を調べる・読む(=サイトを閲覧するだけ)
日本にインターネットが普及し、当時の一般人がパソコンを購入してできたことというのは、サイトの閲覧(主に検索サイトを使用して情報収集)が主でした。当然、SNS(Twitter・Facebook・Instagram・youtubeなど)などはありません。
これが『Web1.0』の時代。
・Web2.0 ⇒ 情報を調べる・発信する(=SNSを使い情報発信する)
『Web2.0』の時代になるとSNSが普及し、誰もが手軽に情報発信できるようになります。
現在は正にココで、皆さんの身近なに人も何らかのSNSを使って情報発信しているケースが
多いかと思います。
現在のインターネットの問題点
それは、影響力の大きいSNS運営企業や、いわゆる『GAFA』と呼ばれる企業の力があまりにも強くなりすぎた点です。どういうことかというと、例えばSNSを使う場合は必ず最初にアカウントを作成して情報発信することになります。
ところが、運営者側が定める使用ルールに反するような使い方をしてしまうと、今まで使用していたアカウントが使えなくなったりしてしまうわけです。『垢バン』などと言われたりすることがありますが、運営者側の判断によってアカウントが削除されて利用できなくなります。
例えばTwitterで垢バンが起きた場合、それまで培ってきたフォロワーの数も完全に消去され、ソーシャルグラフも完全にゼロリセットされてしまいます。
Amazon Kindle本の話
これは、Voicyの『イケハヤラジオ』でイケハヤさんが解説していたのですが、Amazon Kindle本を買ったとしても、そこに所有権はなく、あくまでも読む権利(=使用権)が与えられているにすぎないという話があります。
これには、私自身かなり驚きました。
というよりも、そういうことも知らずにありのままを受け入れ、一企業が提供するサービスを使っているケースって結構多い気がします。せっかくKindle本を買ったとしても、読んだ後に中古本として再販はできませんよね。現物本と同じように、メルカリやラクマにも出品できませんし、NFTマーケットプレイスにも出品できないわけです。
ここから見えてくること
『垢バン』や『Kindle本』の話は一例ですが、要するに運営者である一企業が利用者に対して何かしらの影響力を握っている構図が見えてきます。そして、運営者による利用者の囲い込みのようにも捉えられます。
利用者の行動履歴等をビッグデータとして握りながら収益を上げ、かつ利用者の流出を防ぐためにある一定のルールを設ける。運営者である一企業が利用者に対して権力を握る、中央集権化された(=Centralized)構図が見えてくるのです。
これって、少し不自然な感じがします。
『Kindle本』の話を例に出しましたが、自分で購入した本に所有権が発生しないのは明らかに不自然です。TwitterやInstagramだって、アカウントがなくなってしまったらフォロワーデータもなくなるわけです。TwitterやInstagramの使い勝手が良くなくなったから別のSNSに移動しようと仮に考えても、当然フォロワーの移行はできないわけです。
このような、中央集権化された(=Centralized)現在のインターネットの世界に対するある種の不可逆的な話の流れの中から『Web3.0』という概念が生まれてきたといっても良いです。
『Web3.0』とは
ここまでの話の流れから『Web3.0』を以下のように要約できます。
・Web3.0 ⇒ 情報を調べる・発信する・所有する(=情報を所有する)
端的に言うと、中央集権化された(=Centralized)現在のインターネットの世界から、もっと自由になろうという動きのようにも見えます。中央集権化された世界から非中央集権化された(=Decentralized)世界への移行が、正に『Web3.0』の世界です。
また別の記事で解説しますが、DeFi(=分散型金融 / Decentralized Finance)やDAO(=自律分散型組織 / Decentralized Autonomous Organization)と呼ばれるものにも頭文字に『Decentralized』が入っています。より良いプロジェクトに個々人が匿名性をもって参加でき、そのプロジェクトが自律的に発展・成長していくインターネットの世界が『Web3.0』なのです。
ちなみに、ビットコインは現時点で最も成功している『DAO』と言えます。
『DAO』については、こちらの記事で詳しく解説しています。
情報を所有することの意味
『Web3.0』の世界では、ブロックチェーン上に自分の所有権をデータとして記録することができます。所有権があるということは、それを譲渡することもできるわけです。Amazon Kindle本のように所有権がないため、その権利を譲渡できないといったこともありません。
OpenSea等のNFTマーケットプレイスで取引が活発になっていますが、NFTアート作品やBCGと呼ばれるブロックチェーンゲームで使用することができるゲームキャラクターを購入したり売却したりできるのも、所有権がブロックチェーン上で担保されるからです。一部有名なNFTアート作品などは、将来的に更なる値上がりを期待されて投資目的で高額取引されているのが現状です。
ここまで読み進めてきて、『Web3.0』と呼ばれる世界がなんとなくイメージできたでしょうか。
これからのインターネットの世界では、個々人が創造性(=アイデア)を持ち、その力が互いに結びついてより良いプロジェクトが生成される。そして、その力はブロックチェーン上でデータ管理をすることができるため、偽造や改ざんを防ぎながら信用力のある高度なプロジェクトへと昇華していく。
なんだか、ワクワクできる世界が広がっていく気がしますね。
というわけで、今回は以上です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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